少年

手にふれるもの みんな
黄金になればいい と
念じたひとはある

語ることば 吐く息のひとつひとつが
そのまま詩であればいい と
願ったひともある

滝のように急ぐ落日に
すべてが笑い話になっても
ぼくだけは笑わない と
うそぶいたことがある

星菫派の伝承に憑かれて
七色に崩壊する
虹を渡った少年よ

きみだけはいまでも
帰りついたら遠ざかる
ふるさとの森で
きよらかな自慰にふけっているか

     (「童貞詩集」より)






































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by puffin99rice | 2011-09-25 20:58 | その他の詩 | Trackback | Comments(0)

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