中也への私信

私は全生活に憧れたので(五歳から十二歳に至る)私の考へたことはそれをデッチあげる表現上のトリックについてのみだった、謂わば。(十三歳から十九歳に至る)そこで私は美学史の全階段を踏みはずした、実に。私はみずからの裡に虚構を育てた。私は非日常の中で長々しい時間を過ごすようになった。けれども私は生を楽しんでいた。私は自由だった。詩の圏域では何でもありだった。が、やがてその状態も続いているうちにアンニュイとなった。私は非常に障壁を隔ててではあるが、引き裂かれている感覚は人間の常態にすぎないと見極めてしまった。かくて私は舌もつれしながら抒情するのだ。詰まるところ私は到底きみのようには不幸になれない、ということだな。































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by puffin99rice | 2013-11-26 21:41 | その他の詩 | Trackback | Comments(0)

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