櫻月夜

さくらの木には
おんなが
ひそんでいる
はだかで
ふるえる
海の
いきものの恩讐を
匂わせ
とりわけ満月の
さくらの森は
なまめく
おんなたちで
ひしめき
それぞれの
ふたまたの根の
あいだにあふれる
星を
もう一杯
もう一献と
のみほして
やがて払暁の うすい光のなか
めざめるように 逝く
おとこたち




 2004/03/17(初出)

 2011/04/06(再掲)


















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by puffin99rice | 2014-04-04 22:02 | その他の詩 | Trackback | Comments(0)

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