<   2008年 01月 ( 17 )   > この月の画像一覧

青の歌

なにものでも ないから
なんにでもなれると 無邪気に
信じていたよね 放課後の教室で
潮騒を聴きながら からみあわせた指を
知恵の輪のように 解こうとしていたよね 
by puffin99rice | 2008-01-31 22:19

峠の歌

きちんと たたんで
しまいこむ ようには
おわって ゆけない
さいごの さかみち
わざと ころんでみる
by puffin99rice | 2008-01-29 19:18

塒の歌

ひとばん ひとの夢の巣を
わたりあるいた 耳たちが
あけがた 大音量で かえってくる
びっくり とびおきて つかのま
うらがえって もういちど 眠る  
by puffin99rice | 2008-01-28 23:02

霊の歌

交差点で たがいのからだを
すかすか つきぬけてゆく群衆の
いずれの側だろうか 死んでいるのは
あとにのこされた おびただしい小指を
歩道につみあげて たむけの火をつける
by puffin99rice | 2008-01-27 23:02

道の歌

遠くからきたものを べつの
角度からみがいて 遠くへ
死ぬまで 手わたしつづける
ただそれだけの ごく
平凡な ことなんです
by puffin99rice | 2008-01-24 22:27

街の歌

森を出て 信仰をなくした
ひとびとが むれつどって
安息の日を 消費している
ショッピング街に やおら  
慰安のような 綿雪がふる
by puffin99rice | 2008-01-23 20:02

馬の歌

どらごんに なりたかった
まほうの にんじんを
おいかけて なきながら
いななきながら せかいを
けとばす ゆめをみていた
by puffin99rice | 2008-01-22 22:08

本の歌

森の夢に 迷いこんで
さむざむと 樹皮をむく
ねむっている おんなを
ゆりおこし 歳月の
しわをのばして 読みふける
by puffin99rice | 2008-01-21 20:58

麺の歌

若いときいちばん食べた即席麺は日清のあれではなくサンヨーのサッポロラーメン醤油味だった。大きめの丼に粉末スープと麺をいれ刻みネギをのせスパイスをふりかけてから熱湯をたっぷり注ぎ大学ノートで蓋をしてその上に月刊アフタヌーンくらいの重さの本をおき三十分間放置するのがミソ。いよいよふやけてフニャフニャになった得も言われぬ食感のそれをツマミにカップ酒をチビチビやりながら例えばトールキンの「Unfinished Tales」なんぞを読むのがツウというものであった。
by puffin99rice | 2008-01-17 22:11

礼の歌

座礁しながら ふっくら
帆をはり 夕波に
額をあてて うしなわれる
熱量を 愛しつづけた
おれたちの 船に
by puffin99rice | 2008-01-16 20:13