迷宮のショーウインドウから、わたしが召喚するものは、どこまでも、わたし。模倣をかさねて、だんだん小さくなる、世界の日曜日の、雑踏に。行方不明の、自分をさがす。



ループしてくる。冷たい雨をぬけて、青白いまなざしの遠景に。鶺鴒の囀りの突端に。いくつもの惑星を巡礼して。未決の表情のまま、名もなく華もなく、ブルースの速力で。ループしてゆく。



あなたは、花のしたで、賢者の石をみつける。囓ったら、未来が欠けます。注意。いらないので、海のほうへ、アンダースロー(厳守)で投げ捨てる。学校に行って、破壊工作の講義を受ける。

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by puffin99rice | 2010-03-29 21:36

桜のつぼみが。明日にでも、ひらくだろう。あなたは、青空と木々のしたで、ヤンミルズ方程式と、質量ギャップ問題を解くための瞑想に入るだろう。すべての、食うための仕事をキャンセルして。だからせめて、わたしは、最寄りの自動販売機まで全力疾走して、あたたかい缶コーヒーを買ってくる。



ここは夜の、かがやく湖のような場所です。あなたの、紙の上の、足あとを辿り。ふるえる、指で、墓碑銘をなぞる。太陽ではなく、いつも心に月 を。いつも、心に、満月を。



今年の。あなたの入学式の日まで、桜は咲いているでしょうか。ああ。またしても、わたしは、季節のうつろいに、とらわれる。まだ、生身である、あかし。暦の上で、死滅する人々と同じに。

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by puffin99rice | 2010-03-24 16:48

愚者のカード(7〜9)

啓示のように。いきなり、魚が降ってくる。青空の底が、ぬけ落ちて。わたしは、知っていたのかもしれない。青空の上は、海だと。あなたの嘘、と同じくらいには。



ひからびたこころ、風にさらし、川辺に立つ。夕焼けの重量が肩に沈む。まぼろしに、まぼろしを積み上げた遍歴は、いま、星をひとめぐりして、眼前の春に追いつく。



雲が、野辺に、ひととき、春陰の椅子を置く。苔むした石の、立像のかたわら。わたしは、旅人のふりをして、事象の片隅を、行ったり来たり、しているだけ。


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by puffin99rice | 2010-03-14 22:43

ルフラン改(反則技)

風にとばされて
ちらばった言葉を
拾い歩いているうちに
いつのまにか また
いちまんねんが 終わる
by puffin99rice | 2010-03-12 19:37

愚者のカード(4〜6)

冬の瞑想からさめて、白木蓮の花が咲く。駅へと向かう道なりに。わたしは、通過するばかりで、ほんとうの現在を知らない。



光陰。あなたはいまも、さしのばす。母音の距離へ。ふるさとの、祭礼の夜。わたしが握りかえした、そのままの、水色の。手を。



そしてまた、あなたは潰え去る。銀色の闇に。わたしは、残された、わずかな欠片に、世界の全部を映そうとして。歌いながら、壊れる。

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by puffin99rice | 2010-03-09 23:56

愚者のカード(1〜3)

あなたは拾う。石を。躓いて、はじめて出血した記念に。いつか青い星の降る夜。額にのせて眠ると、夢のなかで恋が成就する。



空が割れて、水が落ちてくる。あなたはいつも、とつぜん訪れる。ウィザードのように笑って、吉凶を運んでくる。選択するのは、もちろん、わたし。



今日ひとつ、よいことをする。相対的に。 ある日、わたしは狙撃される。あなたの、頭脳のバルコニーが見える、夏のバス停で。

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by puffin99rice | 2010-03-06 22:24