女帝のカード(10~12)

みずうみは、その底に。つめたい鏡を、沈めている。光は、屈折することで正しく。わたしの、脳にとどく。夜が夜であるために、花が花であるために。すべてがすべてであるために、すてたもの。いっさいがっさいを、ひろって。隠者は、塔を建てる。



あなたのためには。死ねない。花が、凋落するように。うつくしくは、終われない。従順だった、季節の感傷を。日めくりみたいに、破りすて。ただ。過ぎゆく鼓動と、呼吸を。たえるだけの、わたし。だとしても。



そこ、まだ煮えてない。ちょっと待ちなさい。とりわけてあげるから(あなたは、秩序の総覧者、鍋御前)いいこと、このさき。がまんできないことがあっても、勝手に死んじゃだめよ。わたしの許可を。とってからにしなさい、こどもたち。

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by puffin99rice | 2010-07-27 20:22

女帝のカード(7〜9)

だれの心にも。暗い川が流れている。それは、だれのものでもないから。あなたは、あなたの秘密を愛せ。わたしは、まいにち。素手で。夕焼けの皮をむき、追憶のなかみを。たしかめてから、眠る。



やわらかく。権力を淫靡して。法の名のもと、ひそかに。捕獲、隔離する。しかるのち。順送りに、処分する。臣民は、だれも。わたしの命令を待たずに、癒されては。ならぬ。イヌネコに。



門番には、もっとも信頼できる者を。牛の王が、訪ねてくるから。黙って、わたしの。柔軟な、夜の密室へ。もしも死んだら。秘部には、没薬を。超絶技巧で、あらゆる。体位を実技する。あああ、朝が。もういちど、世界を。取り戻すまで。

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by puffin99rice | 2010-07-12 22:03

女帝のカード(4〜6)

あなたが、わたしの耳に。キーワードを告げると。わたしがわたしだと、思っていたものが、瓦解する。そんな、あやうさの、なかだからこそ。世界は、風に切られて。ほとばしる、血潮のように。美しい。



ユーカリの。葉にも似た芳香に、誘われて。迷いこむ路地の一角。古びた洋館の、生垣に。銀梅花は。星座のように、つらなり。わたしに向かって、いっせいに。発砲する。



踏みつけてください。その。権威の足で。群衆は、抗いがたく。あなたに、すり寄る。むち打ってください。それでも。あなたは、愛される。けれど。愚者だけは、雲のように過ぎる。超然と、ひとり。めざめて。

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by puffin99rice | 2010-07-02 06:45