<   2016年 11月 ( 1 )   > この月の画像一覧

貝と星

ふりしきる青空のひかりが
水面でくだけ こまかな泡となり
沈んでくるのを
ときおり
薄目で見上げながら
はるかな砂の天体に
たましいの ありかをさぐった

それは封印されているのに
花のように外部へひらき
洞のように内部でひびく
みずからの生傷

けれども ひとは いそがしく
夢をみない鳥のように眠るから
やがて宝石の痛みを忘れていった

そして ゆっくり凋落していった
見知った風景を 行ったり来たり
しているうちに 年老いて
砂にうずもれ 消えていった

しかし 耳はめざめて
暗闇に星を聴いていた



 初出  現代詩フォーラム(2004年4月12日)

by puffin99rice | 2016-11-18 23:08