●そろもん(あとがき)

噴水のそばでは
アビリティーが無効になります
仕事の話はやめましょう
大声で電話しながら歩いている人
あなたの内側を掃除したい


 2004年11月23日初出(現代詩フォーラム)の上記「噴水の話」から、昨日の「そして風の歌」まで1180日が経過しました。1000日にわたってひとつの連作をかくという構想でしたのに、納期にだいぶ遅れてしまいました。まあ、初発のモチベーションをどれだけ持続できるかという試みでもあったので、それは、よしとしましょう。怠け者の私にしては、かなり頑張ったほうです。
 早いもので、過ぎ去ってみれば、ひと夜の夢のようなものです。3年といえば感受性の鋭敏な若者にとっては、性格や人生観が大きく変わるのにじゅうぶんな時間ですが、それなりにトシをとった私には、自覚できるほどの変化は感じられませんでした。
 それが、ちょっと悲しい(笑)
 とはいえ、「そろもん」をかきつづけることで、私のなかの何かが、きっと更新されたのだと、信じることにします。

いくつかの言葉と
言葉でないものを
ほうりこんで
かきまぜれば
あっ
と言うまに
詩ができる
そんな魔法の装置に
なればいいんだ

 「そろもん」に先立つ2004年10月29日にかいた、この詩にある「魔法の装置」になるのが、私の見果てぬ夢なのですから。

 では、これにて連作「そろもん」第一の書を終わります。

 ※

よし おわった
もう し を
かくことはない
って
うそです
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by puffin99rice | 2008-02-17 18:10 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

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